「食品表示」や「一括表示」とは?
基礎知識「食品表示」と「一括表示」の違いは?表示が義務付けられている食品とは?健康食品を開発する際にとても重要なルールなので、しっかり理解しておきましょう。
「食品表示」とは?
食品は食品表示法により、表示をしなければならない項目が決まっていて、その項目のことを「食品表示」と呼びます。食品の種類によって表示しなければいけない項目は異なりますが、一般的な食品における基本の表示項目は下記の7点です。
1.名称
2.原材料名
3.添加物(原材料名と明瞭に区別すれば、原材料名の欄に記載が可能)
4.内容量
5.消費期限または賞味期限
6.保存方法
7.製造者等の名称及び住所
※製品の販売者と製造者が別の場合は販売事業者の名称及び住所も記載します。
これらの「食品表示」は下図のように枠囲いなどで一括して表示するため「一括表示」とも呼ばれ、食品業界で特徴的に使用されます。
皆さんもお菓子や食品のパッケージでこのような表示を目にされたことはあるのではないでしょうか。
表示しなければいけない食品は?
食品の種類によって表示しなければならない項目は異なると前述しましたが、上図のような表示が義務付けられている食品は「容器包装に入れられた加工食品」です。
スーパーやコンビニで販売されているお弁当やお惣菜、お菓子やパンなどの加工食品も同様に「一括表示」の表示義務があります。
サプリメントやプロテインなどのいわゆる健康食品も「容器包装に入れられた加工食品」に含まれますのでご注意ください。
食品表示(一括表示)の詳細を見てみましょう
1.名称
「名称」とは、その商品の一般的な名称を指します。商品名と混同してしまう方が多いのですが、ここには商品名ではなく、商品の内容、つまり中身の種類を表示します。
例)葉酸含有加工食品、亜鉛含有加工食品、大豆たんぱく加工食品 など
2.原材料名
その名の通り、商品を構成する材料です。原材料名の表示は含まれる重量の割合が高いものから表示します。
3.添加物
食品において、保存や着色などの目的で使用される原材料のことを食品添加物と言い、食品表示では「添加物」と呼んでいます。食品に添加物を使用した場合や、使用した原材料に添加物が含まれている場合は、基本的には添加物に占める重量の割合の高いものから順に添加物の物質名を表示します。
4.内容量
内容重量はグラム または キログラム、内容体積はミリリットル または リットル、内容数量は個数等で単位を明記して表示します。
例)20g 、20ml 、20個 など
5.消費期限 または 賞味期限
食品の特性を十分に考慮した上で、品質が急速に劣化しやすい食品にあっては「消費期限」、それ以外の食品については「賞味期限」とし、期限となる年月日を表示します。
また、賞味期限が製造や加工から3か月以上ある場合は、年月のみの表示が可能です。
一括表示外にロット印字で表示されることもあるので、その際の賞味期限欄には「枠外下部記載」等と表示されることが多いです。
6.保存方法
食品の特性に合わせて具体的で分かりやすく、流通、家庭等において実行可能な保存方法を表示します。
例)「直射日光を避けて、常温で保存してください。」「要冷蔵(10℃以下)」 など
7.製造者等の名称及び住所
商品が製造される工場の名称及び住所を表示します。
また、食品関連事業者が販売者であり、製造者が異なる場合は共に名称及び住所を表示します。
これら7つの項目が「食品表示(一括表示)」の内容になります。今回は簡単に各項目の基本的な部分のみ解説しました。
食品表示を行い際には、さらに細かい決まりやルールがありますので、各行政が出典しているガイドラインや手引き等を確認したり、お近くの保健所(販売される事業者様の管轄の保健所)へお問い合わせされることをおすすめします。
また、表示に関する規制が変更になることもありますので、行政からの通知なども定期的にチェックすることを忘れないようにしましょう。
参考資料:消費者庁出典「食品表示法」
東京都出典「食品衛生の窓 食品表示の手引き」
あとがき
天真堂では、健康食品の製造だけでなく、今回解説した食品表示はもちろん、商品企画から薬事的サポートまで幅広く皆さまの事業をワンストップでご支援しています。
スタートアップや異業種など、「健康食品を販売したいけどはじめてで何からしたらいいか…」といった不安や悩みをかかえている企業の方々、どうぞお気軽にご相談ください。