一般に流通する化粧品の外箱や容器に記載されている成分表。
パッケージや広告を見たときに目を引くのは【〇〇エキス】【コラーゲン】【ヒアルロン酸】のようなPRとなる成分だと思いますが、
成分表を見るとそれ以外の成分もずらっと記載されていることをご存知でしょうか。
今回は成分表に記載されている成分の分類を中心に、それぞれの化粧品に対する役割を説明していきます。
①基材
他に分類される成分を混合させ均一にさせる溶媒です。
ベースとなる成分を指し一般的な化粧品では『水』が基材となります。
中には、水ではなく『〇〇水 or 〇〇ウォーター』と基材を表示することでPRしている製品もあり、
技術革新などに伴い多様化が見られます。
②保湿成分
肌に塗布し潤いを与えみずみずしい肌にする作用を持ちます。
これらの成分はそのほとんどが水に溶解し、皮膚表面および内部にしばらくとどまって水分を与え、
肌をしっとりとさせることができます。
また水分の蒸散も抑え乾燥を防ぐこともできます。
保湿成分としてよく使われるものは『多価アルコール』(ex. グリセリン、BG)がほとんどです。
・糖類 (ex. スクロース、キシリトール)
・アミノ酸類 (ex. セリン、アラニン)
・天然保湿因子 NMF (ex. PCA-Na )
なども使用されています。
③油性成分
肌に塗布し柔軟性を持たせ肌を保護する作用を持ちます。
これらの成分は皮膚に塗布されると内部からの水分蒸散を防ぎ
うるおいを保持し皮膚に柔軟性を持たせることができます(エモリエント効果)。
最も理想的なエモリエント成分は皮脂そのものですが加齢や環境変化に伴い変化してしまいます。
そのため乳液やクリームなどから油性成分を補うことで肌を健やかに保ちます。
油性成分は細かな分類が存在し、肌質や季節などの要因で使い分け適切なエモリエント作用も持たせます。
細かな分類は以下に記載します。
・植物油類 (ex. オリーブ果実油)
・炭化水素類 (ex. スクワラン)
・高級アルコール類 (ex. セタノール)
・高級脂肪酸類 (ex. ステアリン酸)
・エステル類(ex. エチルヘキサン酸セチル): 最も多様、汎用的な物は高級脂肪酸+高級アルコール
・ロウ類 (ex. キャンデリラロウ)
・シリコーン類 (ex. ジメチコン)
・エーテル類 (ex. バチルアルコール)
④界面活性成分
油と水を均一な状態で安定化させる作用を持ちます。
上記成分に出てきた【基材(水)+保湿成分】と【油性成分】はただ混ぜるだけだと二相に分かれてしまいます。
例えば振る前のドレッシングを想像すると、二相に分かれていることがイメージできると思います。
肌に塗布するクリームがもし二相であり毎回しっかりと混ぜなければならないとなると非常に手間がかかり使うのが億劫になるかと思われます。
そのためほとんどの乳液やクリームでは界面活性成分を入れ油と水が一体となった状態を保たせています。
成分の特徴として、[油になじみやすい部分]と[水になじみやすい部分]から形成され、その種類は非常に多岐に渡ります。
ここでは良く用いられる成分を挙げます。
・脂肪酸*ポリグリセリル(ex. ステアリン酸グリセリル)
・植物油*ポリエチレングリコール (ex. PEG-60水添ヒマシ油)
・高級アルコール*ポリエチレングリコール (ex. ステアレス-20)
まとめ
今回は化粧品の成分の中でも配合量の多い成分を中心に紹介させていただきました。
成分それぞれの役割や分類を知っておくと化粧品選びの参考になるかもしれません。
また天真堂が生み出す商品ラインナップはそれぞれの目的に合う成分を厳選しておりますので興味のある方は是非天真堂へお問い合わせください。
まだまだ紹介しきれてない成分も多数存在し、配合量が少なくても影響を与える成分も存在するので次回以降に記載する予定です。