COLUMN
 

中国で成長市場のコスメ業界 国産ブランドのゆく道は?【トレンドEXPRESS】

今回は、中国市場におけるマーケティングを支援する「トレンドEXPRESS社」ご協力のもと、中国マーケティングに関するコラムをお送りいたします。


世界中から注目されている中国のコスメ市場。
日本を含めた海外勢が占有してきた市場に、今中国の国産ブランドが徐々に進出している。

彼らはこの市場における強者として君臨するのだろうか?
中国の記事から中国国産コスメの今後を探ってみよう。

1、かつて消えていった中国コスメブランド。新興ブランドは…?

原題:难倒初代美妆淘品牌的问题,完美日记们能解决吗?
(初期国産化粧品ブランドが消えた理由とは?「完美日記」はそれを解決するのか?)

中国の国産コスメブランドの躍進は目を見張るものがあり、すでに日本のコスメブランドもその状況を注視し始めている。
中国では10年ほど前から国産コスメブランド育成の試みが続けられてきた。
特に「淘品牌」と呼ばれるTaobaoプラットフォームとマーケティング能力を活用した新興ブランドが登場していた。

しかし、そのどれもが生き残っていない。

そして2020年、すでに「Home Facial Pro」や「完美日記(Perfect Diary)」など、新たな国産ブランドが誕生し、数年でスターダムにのし上がっている。
こうしたブランドは、10年前とは比べ物にならないSNSネットワークを活用し、消費者にアプローチし、施策を打ち出し、話題をさらっている。
まさに国産コスメブランドの新時代と言っても過言ではない。

しかし記事では、中国国産ブランドの課題は依然として解決されていないと断じる。
その課題とは、国産ブランドは「高級ブランドの安い代替品」とのイメージを払拭することが難しく、ブランドイメージを刷新することが困難。
商品開発能力は向上しているものの、依然ODM / OEMメーカーへの依存度が高い。
1つのプラットフォームに頼る状況は改善されたが、イベントやクーポンに頼りすぎる集客方法はその持続性が懸念される。
ブランドの入れ替わりが速いため、すぐ時代遅れになるリスクに直面する。

こうした課題を抱えながらも、中国化粧品市場は急成長している。
中国化粧品市場はすでに450億元のレベルに達しており、しかもまだ急速に成長しており、平均年間成長率は12%に達する。
このような高成長の誘惑にかられ、新しいプレーヤーが続々と生まれ、これからの3年〜5年間で市場競争がますます激化することが見込まれる。
そのなかで、新興の国産ブランドがこれらをどれだけ解決していくか、注視していく必要がある。

2、ネット全盛期における老舗ブランドのこだわり

原題:【专访】重线下、产品“高门槛”……盘点毛戈平的“另类”发展路
(「オフラインマーケに重点」「高級路線」…中国国産化粧品ブランド「毛戈平MaoGePing」)

2000年に設立された「毛戈平(以下:MaoGePing)」は、創業者の毛戈平と同じ名前の中国高級国産化粧品ブランドである。
近年、多くの人々の注目を集めている。本記事では「MaoGePing」の特別な販売戦略を分析する。

「MaoGePing」、この2000年に設立された創業者と同じ名前の中国高級国産化粧品ブランドは、近年、故宮とのコラボや人気ブロガーのメイクアップチェンジの動画によって、ますます多くの人々の注目を集めている。

現在最も人気のある化粧品ブランドの1つとして、「MaoGePing」の販売戦略は業界の中でも特別である。
例えば、「オフライン販売に力を入れる」、「クッションファンデーションのようなトレンド商品をひたすら追いかけない」、「異業界コラボレーションを慎重にする」など。

にもかかわらず、「MaoGePing」は、国産ブランドが続々と生まれつつも、海外化粧品ブランドが依然として強い影響力をもつ中国の化粧品市場において、穏やかに影響力を高めている。
同ブランドの特徴は、「重点をオフラインにおいている」こと。

もちろん、この時代にあってオンライン、SNSマーケティングを行ってはいるものの、同ブランドの主戦場はあくまでも「オフライン」とみている。

同ブランドの担当者は、「オンライン化粧品の価格幅は約100元(約1500円)、また割引後で60〜80元(約900〜1200円)の範囲であり、150元(約2250円)を超えるとなかなか売れない」と述べている。

あえて高級路線をとる同ブランドとは、原則、相いれない。

「Maogeping」では、こうした課題を解決するため、創始者をIP(知的財産)としてブランディングを行う、また故宮博物院とのコラボレーションを行うなど、多くの施策を展開している。
今後、新興ブランドが多く台頭し、マーケティング環境も大きく変わる中、どのような施策を取っていくのか、注目しておきたい。

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転載元:https://cte.trendexpress.jp/blog/20200424-marketingnews-3.html(中国トレンドEXPRESS)
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