化粧品の規制を紹介するコラムの7回目です。
今回は、使用上の注意や原産国、その他の規則における法定表示の記載内容を紹介します。
実践編1では販売名、種類別名称、内容量、使用方法、全成分を紹介していますので、
ご興味があれば併せて確認ください。
<使用上の注意>
使用上の注意の決定は少し複雑です。
以下の4つの項目で定められる記載内容を足し合わせて作らなければいけません。
①製品のジャンルによって定まる記載内容
②個々の製品区分によって定まる記載内容
③使用成分によって定まる記載内容
④その他、各製品の特性によって定まる記載内容
詳細に説明していきます。
①製品のジャンルによって定まる記載内容
製品が浴室で使用する「浴用化粧品」なのか、それとも「化粧水」なのかなど、
製品のジャンルで記載内容の大枠が決まります。
表を参考に何を記載しなければならないかを確認しましょう。
②詳細な製品区分によって定まる記載内容
「子供用化粧品」「ベビーパウダー」「整髪料」や「お菓子に似ている見た目」など、
特殊な製品区分の製品には記載しなければならないことが決められています。
これらの規制は厚生省、化粧品工業連合会、国民生活センター、公正競争規約等が不規則に発行します。
そのため、最新の情報を常に更新してゆくことが求められます。
③使用成分によって定まる記載内容
小麦由来成分やスクラブ剤、殺菌剤、頭髪用化粧品でかつ揮発性シリコーンを使用したものなど、
使用している成分によって記載しなければならないことが定まっています。
②と同様に多くの役所が規制を発行しますので、最新の情報にたもてるよう常に情報を更新しましょう。
④その他、各製品の特性によって定まる記載内容
自社製品の特性において、記載すべき注意事項があれば記載します。
何を注意喚起すべきは各社のノウハウとなります。
なお、これらの使用上の注意は化粧箱がある場合、化粧箱には全文記載をする必要がありますが、容器には簡略記載が認められています。
使用上の注意は非常に繊細な情報を用いて作成しなければなりませんので、
自信がない場合は無理せず専門の人・会社に委託するようにしてください。
原産国
原産国は製造国の名称を記載します。
世界的に原産国の定義は「本質に最終的な調整を加えた国」と規定されていますのでご注意ください。
化粧品の本質とは容器や箱ではなく中身になりますので、中身に最終的な変化を与える製造工程を加えた工場の国名を記載しましょう。
なお、色や香料のみの変化の場合は本質の変化にはあたらないケースが多いです。
LOT
LOTは万が一の問題があった時に対応する範囲を確定するために記載されなければならない情報です。
対応する範囲を確定することは企業の利益だと一般に考えられていますが、それだけではありません。
問題のなかった製品を購入したエンドユーザーが安心できるという大きな利益があります。
万が一の問題が起こった場合にあっても、自社の製品を信頼して購入してくれたエンドユーザーをいたずらに不安にさせることのないよう、
工場の工程から導き出せる最小単位郡に同じLOTを付番します。
製造販売業者
製造販売業者とは市場に流通する製品に責任を持つ会社です。
許可制でありライセンスのない会社は製造販売業者になることはできません。
製造業、発売元、販売元とは異なりますのでご注意ください。
問い合わせ先
お客様相談窓口の連絡先を記載します。
メールなどですとメールソフトが勝手に迷惑メールに振り分けてしまった場合適切な対応が取れませんので、
電話番号を記載すると良いでしょう。
リサイクルマーク
リサイクルマークは容器包装リサイクル法で規定されたものであり、一般に馴染みのある規制ですね。
ただし、表示を行う場合は資源有効利用促進法でリサイクルマークの大きさが規定されていますのでご注意ください。
記載しなければならない内容は以上で全てです。
追加でバーコードやデザインなど、各社において必要と考えられるものを盛り込んでください。
ガス製品を使用する場合には、危険物の規制も確認しておいてくださいね。